ITアーキテクトのひとりごと
第71回「ビッグデータ。アイデアが大事だけど、ビジネス化はどうする」
クラウドが来たぁ~と思ったら、ビッグデータが来たぁ-(表現がちょっと古くて申し訳ない)。
JDSFなりにビッグデータをテーマに "研究" してみようということでワーキンググループ(WG)が出来たので、もごもごと考えている。
でも個人的にはクラウドとビッグデータの受け止め方にはちょっと温度差がある。
クラウドはITシステムのリエンジニアリング・プロセスそのものだが、ビッグデータは大量のITデバイスがばらまかれたせいで発生した大量の、どちらかというと持て余し気味のデータに絡めて何か儲け話はないのかというアイデアを競っているからだ。
ビッグデータに係るビジネスモデル、ITの仕組みは古くからあったものが多いようだ。ビッグデータというバズワードに乗っかって、アイデアをリメイクしているというものも多い。
まあ、でも、それでもいい。昔はAnalyticsの価値を理解していない人たちが多かったから。
昔との決定的な違いは、デバイスが溢れ、データが溢れていることだ。昔はデータを集めるのも一苦労だった。そこで、お金もかかるし、システム作りも大変だった。
今は、デバイスが溢れ、データも溢れているので、素早くデータ処理を行い、必要なデータを必要なシステムに高速に仲立ち(IT的な言葉ではないな。。)するシステムが必要だ。
データを集める仕組みは案外簡単(そのために頭を絞っている人は沢山いるけど)になってきたところが昔のビッグデータとは大違いだ。
いろんな利用アイデアを考えている人たちは、データを仲立ちするデータ・ブローカから安価にデータを仕入れ、アイデアを試す。
面白そう。パブリッククラウドのおかげでビジネス参入障壁もぐっと低い。
アイデア次第で億万長者なんていう夢もありそうだが、アイデアをビジネス化して守り育てるのは大変そうだ。
あっという間に陳腐化されてしまうというリスクが大きいからだ。
アイデアをお金にするための巨大なプラットフォームを持っていることが重要なので、そのプラットフォームはブラックホールのようにアイデアを吸い込もうとして、ますます巨大化する。
さて、ビッグデータ処理に要する時間は秒オーダだが、アイデアだけを食っていても腹は一杯にはならない。
腹を一杯にするために物を運ぶ時間は10の4乗から5乗のオーダだ。ドローンを使ってデリバリーしようという試みは、この大きなオーダの違いを埋めようとしているのだろうか。よくわからん。埋めるには余りにも微力だ。
株式会社エクサ 恋塚 正隆