ITアーキテクトのひとりごと
第66回「私がスマホに変えた理由」
私用の携帯電話をスマホに変えて約2ヶ月。変えた理由の第1は、電波の届く範囲が広いこと(キャリアも変更)、第2は、持ち運びたいアプリがあった、という2点に尽きる。
私にとってのスマホの存在理由は、「持ち運びたいアプリがある」ということだ。要するに小型タブレット、超小型ノートPCが必要だったので、それなりの制約は覚悟していた。
PCで使っていたようなフリーツールを探して導入。画面が小さい、指先でチョコチョコと操作しないといけないので、PCツールと似ているとは言っても、目的を限定した制約に慣れるという苦痛の期間が必要になる。
2か月でようやく苦痛にも慣れ、細切れのツール、細切れの機能を繋ぎ合わせるのも上手になってきたが、頭への負担は大きい。最近のゲームに適応できない時の苦痛と同じような負担を感じるので、スマホはゲーム脳に適したツールのようだ。
どうも、PCでやっていたようなことをスマホでやろうとしてはいけない(できるけれど)ようだが、Googleが提供しているアプリはスマホからPCへ、PCからスマホへとアプリ連携がスムースで使い勝手がよい。
スマホを使って、面倒なこと、難しいことを考えるのは無理なので、スマホでは、メモを作り、見つけたURLを貼り付け、そして、ゆっくりとPCの広い画面で考える。細切れの時間の途中でもGoogle Driveやカレンダーの情報はリアルタイムでスマホと連携しているので、バックアップする、コピーする、送付するという余計なことは必要ない。
本当は、スマホとPCが連携しているわけではなく、Googelクラウドの中に、私のIDを持ったリポジトリが存在するだけ、しかも、ネットワークがあれば世界のどこでも唯一無二のリポジトリにアクセスできるという仕組みがあるだけ。
JDSF的な手前味噌な言い方をすると、ストレージシステムとその周りに存在するアプリが最大のキーポイントということだ。
Android OSを支配し、ブラウザを支配し、アプリケーションを支配し、データを支配し、そして、我々の生活を支配する。アプリケーションとネットワークとデータがあれば何でもできるということだが、これはビジネスアプリケーションでも同様だ。
Googleアプリはハードウエアの制約も排し、データがどこに蓄えられているのかもわからない。我々SIerにとっては敵に回したくない不気味な相手なので、ここは仲良くしておく必要がありそうだ。
こんなゲームチェンジを仕掛ける相手は他にもいる。SSDや巨大なメモリを抱いたサーバだ。HDDに代表されるストレージシステムが5年後にどのくらい残っているのか、少なくとも、ほとんどの居場所で主役を追い出されているのは確実だ。どんな名わき役に転身できるのかという鍵を握っているのは、アプリケーションなのか、ストレージシステムそのものの進化なのか、ちょっとした競争が起こりそうだ。
ここ10年くらい静かだったストレージ・ワールドも目が離せなくなってきたが、少し怖いことが起こるような気がして気が気ではない。。。
株式会社エクサ 恋塚 正隆