ITアーキテクトのひとりごと
第52回 「私の標準Goodsに取り込まれる次のモノ」

 

社会人になってから、やっとのことで数十年が過ぎた。会議のメモや打ち合わせ議事録を作るために、会社支給のA4サイズのノートを持ち歩き、必死で議事録を作っていた頃が懐かしい。会議が終わったら今作ったばかりの議事録を読み合わせ、その場で印鑑を押し、議事録のコピーを双方が持ち帰るのだ。今はメモをリアルタイムでノートPCで入力することが多いので、ノートの消費量も減ってきた。

 

当初はA4版やらB5版のノートを使っていたが、鞄の中の収まりが良いA5版ノートがすっかり定番となった。ちょっとカラフルで小ぶりなA5版ノートだと何となくスマートに見える気がするのは自意識過剰だ。

 

オフィスではコピー機能付きホワイトボードは標準品だ。コピーができると思うと必死でノートに書き写すことも無いので、記憶への定着率が落ちた。会議の効率を考えるとコピーに頼るのもやむを得ないが、自席に戻ってから自分の言葉で整理し直して再記憶したり、もう一度深く考えるという作業が必要だ。自分なりのメモを書き留めておくと後から記憶がよみがえりやすい。

 

こんな作業にどんな道具を使うのか。一番よく使うのは誰でも持っているエクセル。次はチェンジビジョン社のマインドマップだ。これまで2番目だったOneNoteは3位に転落だが、何でも書き留めておけるOneNoteが重要なツールであることは変わらない。

 

ホワイトボードが無い会議なんて考えられないが、ホワイトボードが無い時にはどうするか。そんなときの私の定番はB4版のスケッチブックだ。B4版は鞄にも入る。画用紙のように厚紙ではなく薄くてたくさんページがあるものが最高だ。テープルの真ん中に置いて、書いた用紙を次々と破っていく。大事な事が書かれた用紙は直ちにデジタルコピー機でスキャンしてデータ化すれば、コピー機能付きホワイトボードの便利さと比べても遜色は無い。

 

最近はほとんどの技術資料がWebで公開されているが、いつもWebにアクセスできるとは限らないのでローカルに大量保存する。雑誌や書籍もどんどんデジタル化してローカルディスクに保存されているが、MyPCにしか保存していないものが多いので、2年前から使っている有償のクラウドストレージに保存するために、家に帰ってから「バックアップ開始」のボタンをクリックするのが日課となっている(自動も可能だが勝手に動作していると気味が悪いので止めている)。

 

これは片方向のデータ同期(MyPCからクラウドストレージへ)だが、双方向同期の類のツール、機能は使い方を間違えると、消すつもりが無かったファイル、間違えて消してしまったファイルまで自動的に同期されてしまうので危険だ。事実、間違えてデータをロストしてしまったことがある。

 

双方向同期するフリーのクラウドツールも使うには使っているが最近は影が薄い。双方向同期の仕組みはちょっとしたメモの同期にしか使っていなかったのが理由だ。最近はちょっとしたメモはGoogleドキュメントを使うのが定番となっている。書き込んだ内容がほとんどリアルタイムで保存されるので「ファイルを保存」するという行為が不要なところが素晴らしい。

 

ローカルに保存されているファイルの大部分を占めているのは、おそらくPDFファイルのようなものだ。クラウドストレージを管理しているツールが「あなたが保存しているデータを分類するとこんなものが一番多いよ」と示してくれる。デジタル化された書籍のデータの量も相当に多い。

 

こう考えると電子ブックの普及は朗報だ。資料として保存しているMy電子ブックには付箋が必須なので、電子ブックのフォーマット、ツールの機能には注意が必要だ。

 

ここまで言えば、このメルマガのタイトル「私の標準Goodsに取り込まれる次のモノ」が何なのかは決まりだ。そんな私がかねがね注目していたアマゾンの電子ブックリーダー日本版は、即注文したが手元に届くのは来年1月。



JDSF データ・マネジメント・ソリューション部会
株式会社エクサ 恋塚 正隆
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