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ITアーキテクトのひとりごと
第48回 「ユーザに最適な情報を送り届ける?」
毎日のように使っているアマゾン、GoogleのWebサイトで表示されるリコメンドには、時に、非常に興味をそそられるものが掲載される。そのリコメンドをクリックして購入までしてしまった人は後を絶たない(と断言するのは、私もその例に漏れないからだ)。
これらのリコメンドは非常に機械的にパーソナライズされているらしいが、ちょっと失礼な言い方をすれば、「簡単に引っかかってしまう」。思わず引っかかってしまうんだけど憎めないところが何とも妙を得ている。うまい!
押しつけがましくないところや、いろいろと気の利いたリコメンドが表示される(と思いこんでいるだけ)ので、思わず気を許してしまう。それに 比べて、リコメンドの仕組みをよく考えていない某サイトは、一回アクセスした商品を何回も何回もしつこく繰り返し表示するので嫌気が差す。
お勧め上手で良く教育された店員がいる店と、ベタな店員しかいない店の違いがもろに出る。このような場合、IT化したポイントカードやクーポンでどんなにお客様向けに最適化したとしても、ベタな店員しかいない店だと嫌みにしかならない。
つい先日、お気に入りのスポーツシューズを買おうと思ったら、どこのサイトを調べても完全に SOLD OUT だったので、製造元のWebサイトで、「このシューズの在庫が入ったら教えてね」登録をした。このようなサービス機能を備えているサイトは珍しいとは思うが、果たして、追加生産してくれるのかどうか気が気ではない。こんな機能が存在するということは、人気製品は追加生産もあり、ということを示しているのだとは思うが、ついでに、追加生産するかどうかの人気バロメータでも示してくれると嬉しい。そうすれば、きっと毎日でも、そのWebサイトをチェックすることになるだろう。そしてそのうちに、別の商品を衝動買いすることになる。
ビッグデータとデータ解析技術、しかもリアルタイムな解析技術を使って「ユーザに最適な情報を送り届ける」ということが喧伝されているが、そんな最適な情報は、こんなブラブラとした買い物の楽しみを奪う。そのうち、そんな最適な情報なんていう傲慢でお節介なシステムは飽きられ、システムもお払い箱になる日が近いことを祈る。
さりげない気の利いた店は、そんなITのことなんか微塵も感じさせない(が、思い切りITを活用しているのかも知れない)。
ところで、私はアマゾンやGoogleのパーソナライズを欺瞞するためにわざと全くジャンルの異なる商品やWebサイトを徹底的にドリルダウンして調べまくることがある。その結果として、思わぬリコメンドが出てくるのが楽しみだ。そして、その思わぬリコメンドを辿って、もっと面白いものを見つけるという楽しみはやみつきになって止められない。
これは、実は非常に巧妙なアマゾンとGoogleに騙されているだけだ。でも、十分に評価されたスマートな情報になら騙されるのも悪くはないのだ(と勝手に思っている)。
株式会社エクサ 恋塚 正隆