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【新連載】ITアーキテクトのひとりごと
第20回 「ポータブルって本当に便利」
携帯電話・PHSの加入者数は1億加入を超えて人口普及率も90%前後になり、"便利"の域を超え、"これなしでは不安"になってしまうほどの道具になった。たまに自分の携帯電話を家に忘れてしまったときは、ちょっと大げさに言うと「パンツを履かないで外を歩いている」くらいの不安に襲われる。もっとも、会社の携帯を忘れた場合は、ここまでの不安には襲われない、と言うよりもチョッピリすがすがしい気持ちになる。しかし、これほどまでに身体の一部になった携帯電話が壊れたら、という心配も携帯電話会社が提供している無料のデータ保護(auの場合は「ケータイデータ預けて安心アプリ」)サービスのお陰で、安心、安心。昔、と言っても3年くらい前の携帯では、この無料のデータ保護サービスは自分で設定しないと動作しなかったが、最近買った携帯では最初から動作するようになっているのに、ちょっと驚く。データを保護するというのが常識になっているということだ。もっとも、携帯が壊れるような事故は多いだろうから、そんなときに「なんとかならないの」というユーザの常識的な要求に応えることは、販売店の面倒が減る、ユーザも喜ぶ、という一石二鳥の効果がある。いまや携帯電話で何でも出来る時代になったからこそ、こんな機能が大事だ。
ひるがえって、我が業界のノートPCはどうなっているんだ!携帯電話会社が出来て、PCメーカにできないことがあるのか、と憤りすら感じるが、携帯電話会社はサービスを売っている会社で、PCメーカはハードウェアを売っている会社という、そもそもの成り立ちが違うことが、お客様に対するアプローチの違いを産んでいるのかも知れない。シンクライアント・ソリューションと言いながら、実は、ハードウェアとそこで動くソフトウェアを売ることが目的で、お客様に対するより良いサービスの提供という観点からは少し離れてしまうことがあるんじゃないの、とここで勝手に業界を代表して自己懺悔をしないといけない。
さて、クラウドサービスの立役者のひとり、Googleが提供するGoogleドキュメントのように自分でまったくアプリケーションを保有することなく使えるサービスは、携帯電話のような気軽さがある。自分で持たないことで少し気が楽になる点は携帯電話の気軽さに通じる。インターネットの三種の神器である Webブラウザやメールにもこんな気軽さが欲しいので、個人的にはFirefoxやFirebirdのポータブル・エディションを愛用している。
何がポータブルかと言うと、"インストール"というPCを使うんだったら必須の作業が必要ない、アプリケーションとその環境+データを丸ごとどこにでも持ち運べる、という非常に便利な機能をもっている。要するに"今使っているPC"というハードウエアにロックインされない(でも、WindowsというOS にはロックインされている。。。)。
USBメモリで持ち運べる程度のコンパクトさなのだが、人間は贅沢だ。そのUSBメモリを持ち運ぶのも面倒になってきた。メールの中には大事な情報もあるので本当は暗号化したほうが良い。
暗号化すると今度はPCにそのためのソフトをインストールしないといけない。これも何か面倒だ。バックアップもしないといけない。これも面倒だ。
なんだかんだと面倒なことが多いので、クラウドのストレージサービスを使うことに。
PCの決められたディレクトリごと、常時、クラウド側にあるストレージに同期され、別のPCでログオンすると、そのログオンしたPCのディレクトリがクラウド側のストレージと同期する。ファイルのバージョン管理も行われているので、ちょっとした間違いならリカバリ可能だ。こんな環境にFirefoxと Firebirdは存在する。これでどこからでも同じアプリケーションが使えるようになり、バックアップの問題もほぼ解決だ。
クラウドには、こんな便利なサービスが期待できる。
JDSF データ・マネジメント・ソリューション部会
株式会社エクサ 恋塚 正隆
株式会社エクサ 恋塚 正隆
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