JEITAテープストレージ専門委員会コラム

「データセンターとテープストレージ」



今年の梅雨は短かったですね。各地で梅雨期間の最短記録を更新したようです。そして梅雨が明けたと思ったら酷暑が続いて、東京電力管内では電力ひっ迫注意報が頻繁に発令されています。予想最高気温が36℃や37℃だなんて体温じゃないかと妻が言っておりました。電力ひっ迫注意報が出れば、冷房の設定温度を少し上げたりして、対策しなくてはなりませんが、部屋の中で過ごしていても熱中症になってしまうので冷房は欠かせませんね。私は仕事でデータセンター内に行くことがあるのですが、あの場所は寒いくらいに涼しいです。多くのIT機器が稼働しているので空冷していて当然なのですが、空調で電力を消費し、かつ、サーバーやストレージ機器が電力を消費し、一つのデータセンターが消費する電力はいったいどのくらい膨大なのだろうとふと思ったりもします。

さて、日本政府は、デジタル田園都市国家構想という政策の中で、8割が東京・大阪近郊に存在する日本のデータセンターを、地方に分散させる政策を推進しています。デジタル田園都市国家構想とは、デジタル化によって地方の社会課題を解決しながら地域の魅力を向上させる取り組みのことです。政府は地方に十数か所のデータセンター拠点を5年程度で整備することを進めています。その過程で、データセンター拠点を地方に置くことでその地域に生まれるメリットは何か、例えば、医療や教育、その地域ならではの産業に、デジタル化を推進することでどのようなメリットが生まれるか、そういったことをより明確化させるため、検討が進められています。

データセンターが作られるとやはり膨大な電力消費が生まれます。昨今よく聞くカーボンニュートラルの施策でCO₂排出量をゼロにしようと奮闘している中で、いかにデータセンターの消費電力を減らせるかということも大きな課題です。そこで、消費電力を抑える方法として、データ保存先にテープストレージを活用するのも一つの手ではないでしょうか。データ保存先としてクラウドが浸透した現在、個人としてはデータ保存先がハードディスクなのか、はたまたテープストレージなのかといったことはあまり意識しないかもしれません。ただ、クラウドに保存したつもりでも、蓋を開けてみればクラウドを運営する企業が所有するデータセンター内のハードディスクやテープストレージだったりします。

テープストレージは主にデータの書き込み・読み出し時にしか電力を消費せず、使用しないときは装置から取り出して保管することができます。そのため、ハードディスクに比べて省電力でのデータ保管が可能ですし、また、オフライン保管によるサイバー攻撃の回避や、遠隔地保管による災害対策ができるといった特長があります。今後、地方にデータセンター拠点が整備される上で、テープストレージはデータセンターの省エネ化に貢献できる可能性があり、さらなる利用が期待されています。

一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) テープストレージ専門委員会
http://home.jeita.or.jp/cgi-bin/about/detail.cgi?ca=1&ca2=292
本内容にてご質問などございましたら、JDSF事務局経由でお願いいたします。

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