JEITAテープストレージ専門委員会コラム

「新型コロナウイルス 緊急事態宣言下で改めて感じたデータアーカイブ」



当コラムで新型コロナウィルスについて触れたのが2月でした。
4月の緊急事態宣言発出以降、最近は新たな感染者数は減少の傾向に転じて来たものの、大都市では感染者の新規発生が依然続いているため、まだまだ気を抜けない状況は続きそうです。
5月4日には緊急事態宣言が延長になったことで、企業では引き続き在宅勤務や、新たなワークスタイルへの対応が求められる日々が続きますが、一日も早くこの事態が収束し、普通の日常が戻ることを願って止みません。

今回は在宅勤務によりテレビを視聴する時間が多くなり、そこで改めて感じたテレビ番組のコンテンツや医療関係のデータアーカイブを取り上げたいと思います。

現在も政府の外出自粛要請が継続されているために、放送局においてはオンライン出演を利用した報道以外の番組では、新規の番組収録が困難になっている状況のようです。
地上波放送では春が番組改編の時期に当たりますが、ドラマでは新番組が始まっても数回で中断・打ち切りとなってしまう事態となっており、バラエティ番組では過去の番組を編集した『総集編』や『傑作選』といったスペシャル番組へ、音楽やプロ・学生スポーツは全てのイベントが中止・延期になっていることから『名場面集』というように、アーカイブされた過去のコンテンツを活用した番組への差し替えで放送枠を埋めて凌いでいる状況が多く見られます。

このような番組制作過程においては、コンテンツアーカイブシステムから必要なコンテンツの取り出し(リトリーブ)が制作現場で“フル稼働”しているものと想定されます。
古い時期にアナログで生成されたコンテンツをファイル化し、デジタルコンテンツとして最適化されたアーカイブシステムを構築することは、このような想定外の非常事態にも大きな役割を果たすものとして再認識させられました。

新型コロナウィルス感染拡大が、社会基盤や人類の生活や行動を大きく変容させていく中で、ITの業界にも求められるものも”変容”していくかもしれません。

しかし、そのような中でも『デジタルデータ』はひたすら増え続けるため、その増え続けるデジタルデータを低コストで『長期アーカイブ』し、そのアーカイブデータを『利活用』するためには、テープストレージを用いたアーカイブシステムが重要な役割を担います。

その役割を果たすアーカイブシステムはストレージが階層化されていることが一般的ですが、膨大なコンテンツを保管するための最終階層ストレージには大容量のデータ保管スペースを低コストで提供するテープストレージが最適と考えます。

医療関係者には、世界共通で抱える新型コロナウィルスに立ち向かうためのITを活用したシステムの早期構築とともに、治験による治療法の確立や感染予防ワクチン、治療薬の開発はまだまだ多くの時間を必要とする見込みですが、その過程では多くの医療データが生成・蓄積されるため、テープストレージを活用したデータの保存(アーカイブ)の仕組み作りや、アーカイブされたデータを利用するシステムの構築が、今後の研究開発に重要な役割を担うことでしょう。

テープストレージ専門委員会は、絶え間なく変化する環境の中で、テープストレージの技術的優位性や活用法などについて、今後も情報を発信していきます。

 

一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) テープストレージ専門委員会
http://home.jeita.or.jp/cgi-bin/about/detail.cgi?ca=1&ca2=292
本内容にてご質問などございましたら、JDSF事務局経由でお願いいたします。

 

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