JEITAテープストレージ専門委員会コラム
「ビッグデータは本当にビッグになるのか?
スマートシティとIoT」

 

世界の人口の60%が都市に住む2020年

世界の人口は増加の一途をたどるのだが、人口の分布も変わっていく。2020年には世界の人口の60%以上の人々が都市部に住むと予測されている。 現在のメガシティの代表格は言うまでもなくNYや東京なのだが、実は東京の人口はNYのおよそ倍近くもある。完全無欠のメガシティなのだ。 残念ながら2030年にはインドのデリー、中国の上海には抜き去られてしまうと予測されているが、サイバーシティー東京はその時代でも、最先端の都市でいられるのだろうか?

「先端度」の指標としては人々、または人々が持っているデバイス、さらに今後はモノとモノ、いわゆるIoTのつながり度であるインターネット普及率があげられるだろう。 現在「つながり度」の高い都市は東京と大阪の86.3%、次いでNYの84.2%で、デリーの15.1%とは大きく水をあけているが、これも今後はスマートシティの拡大とともに、かなりの勢いで差がなくなってくるだろう。

 

スマートシティでつながるデバイスは11億、2020年には97億に

Gartnerの調べでは、スマートシティでつながるデバイスは11億、2020年には何と97億になると予想されている。 さらに全世界のIoTデバイスの81%がスマートシティでつながるとも予測されている。 田舎暮らしも魅力的だが、自然にあふれる環境などの住みやすさと、高効率で利便性の高さのバランスが取れたスマートシティになれば、人口の集中度もさらに増すのかもしれない。 IoTは人間の意志が介在しない自律的社会インフラの実現が可能である。たとえば、住宅の自家発電、自動空調、電力マネージメント。医療分野ではホームドクターや、交通インフラもIT化でより効率的なトラフィックコントロールが可能になる。水道、ガスのような生活インフラや、自然環境を自動的に維持することも可能になるだろう。

 

スマートシティで自家発電、自前でデータセンターが運営できるようになる?

電力は現在でも66%が都市部で消費されているとの推計がある。スマートシティへの人口集中でこの数値も高まるかもしれない。エネルギー問題はいつでも悩みの種だ。紛争にまで発展するのであるから。 すでに始まっているが家庭自家発電のスマートシティ版はより大規模で、効率の良いものになることは容易に想像できる。消費電力よりも多く発電、蓄電できればわざわざ遠くの発電所から高い電力を購入する必要もない。超伝導技術の実用化がまだ見えていない現状で、送電ロスの大きい送電線での電力供給が時代遅れになるのかもしれない。距離が延びれば伸びるほどロスが大きくなると考えると、スマートシティ内で発電するのは理に適っている。潤沢な電力があれば、スマートシティの実現に必要不可欠なデータセンターも、その中におけるのではないか? 考えようによっては排熱もエネルギーにできる。

 

データ活用が住みやすい都市の肝

IoTから発生するデータは、住宅、医療、教育、交通インフラ、生活インフラ(上下水、ガス電気等のエネルギー)、ごみ処理、そして環境への配慮にも利用できる。これらのデータは蓄積され、さらにオープンデータ化されることによって、より高度なデータの活用が可能になるだろう。データの蓄積も重要である。過去のデータからより高い精度の予測が可能になるからである。そのデータを効率よく保存できれば、将来的にスマートシティにデータセンターを作ることも可能な時代が来るのではないだろうか?

 

さて、5月13日から15日に開催されますデータストレージExpoにJEITAのテープストレージ専門委員会も出展します。 最新テープテクノロジー、LTOドライブ、メディア、そしてテープファイスシステムLTFSのデモも行いますのでぜひご来場ください。

 

展示は以下のJDSFブースで行います。
 展示ホール【 東4ホール 】
 小間番号【 東37-8 】

http://www.dse-expo.jp/

 

 

一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) テープストレージ専門委員会
日本ヒューレットパッカード(株) 井上 陽治
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