JEITAテープストレージ専門委員会コラム
「ビッグデータは本当にビッグになるのか?
2015年のトレンドを大手アナリストたちの予測から読み解く(2) 」
前回に引き続き、アナリストの2015年の予測内容から今後どのようなデータがどれくらい増えるのかを予想してみたい。
前回のGartner代わって、今回はIDCとForresterの記事を参考にしてみよう。
■IDC: Top 10 Technology Predictions For 2015
ソフトウェア、ハードウェア、サービスを含めたビッグデータ関連の投資は125ビリオンドル(約13.7兆円:2015年3月現在)に。
リッチメディア分析(ビデオ、オーディオ、イメージ)が、ビッグデータプロジェクトの重要な牽引役となる。少なくともサイズで3倍になると想定される。
トップITベンダーの25%が Data-as-a-Serviceを展開し、クラウドベンダーやビッグデータ分析ベンダーは商用、およびオープンデータに付加価値をつけたデータサービスを行うと予想。
IoTは次世代に重要なデータ分析サービスとなりCAGRで30%の伸びが今後の5年間で期待されている。そして2015年にはアプリケーション、およびベンダーの数においても高い成長率が見込まれる。認知学習/機械学習サービスを開始するベンダーも出現。
■Forrester: Top IT Predictions For 2015
2015年にはデータサービスがメインストリームとなると予測。
ビッグデータの出現とともに、世の中に氾濫しているデータの価値が注目され、それらのデータを分析することで、新たなビジネスが生まれる、もしくは自身のビジネスに多大な利益をもたらすと考えられてきた。アンケート結果では、2012年の30%から、2014年には約半分の50%のビジネスリーダーがその重要性を認識している。
そしてそのフォーカスは、外部だけでなく、その企業自身が保存してきた外部に無い独自のデータにシフトしてきている。これらを掛け合わせ、外部データだけでは提供できない新しい価値を提供できるようになると予測されている。
うっかり社内のデータ(保存されているが活用されていないデータ、これをダークデータと呼ぶ)を削除するのは待ったほうがよさそうである。新手のデータサイエンティストが現れ、皆さんの持つ独自のデータが、従来の「金食い虫」から「ダイヤモンドの原石」に変身するかもしれないのだから。
■2015年は全てのデータがストレージに記録できる最後の年に?
ちなみにあるメジャーなHDDベンダーの試算では2015年は、データストレージ業界が提供する全体の容量で、データが保存できる最後の年になるだろうと予言している。さらに問題なのは多くのPMR(垂直磁気記録)HDDがその寿命を一気に迎える年でもあるということだ。もちろんフラッシュの急峻な立ち上がり、生産量の増加ペースは速いが、果たしてこのデジタルデータの増殖のスピードに追い付けるのであろうか?
ユニバーサルメモリー(個人的には「ストレージクラスメモリー」という表現が腑に落ちる)等、新しい技術は出てきているものの、一般に広く使われるようになるには5年や10年はかかりそうだ。それまで現在あるストレージの総力を挙げて対応する必要がある。将来にわたり、容量の伸びしろも十分な、今なお進化を続けるテープもその選択肢の一つだろう
日本ヒューレットパッカード(株) 井上 陽治
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