JEITAテープストレージ専門委員会コラム
「委員会設立30周年を迎えて」

 

1982年に「小形フレキシブルディスク調査委員会」という名称で発足した当委員会も、おかげさまで設立30周年を迎え、先日委員会OBの方々、JDSFをはじめとしてお世話になった関連団体の方々、また基調講演には東京大学の喜連川教授をお招きして、記念講演会を行いました。


当委員会はフレキシブルディスク、所謂フロッピーディスクを、市場に広く浸透させた小型のカートリッジタイプの国際標準化で、米国の3.25インチタイプを退けて日本提案の3.5インチ仕様を、国際標準にすることに成功した輝かしい実績があります。その後活動は徐々に磁気テープに移行して来てきたわけですが、30周年を迎えた現在、磁気テープの発明からも60年になります。しかしながら、未だに最新IT技術の中でも不可欠な記録媒体として磁気テープが使用されていることは、驚きであるとともに磁気テープ記録技術の素性の良さ、またほとんどの要素技術が日本のものであるテープ媒体への、弛まない開発、改善の賜物だと思います。


さてご存知のように、世はビッグデータ時代、データが重要でかけがえのないものであるかに気づき始めている企業も多いと思いますが、そのデータを如何にして100年以上のスパンで継続して残していくかというのは大きなチャレンジです。最先端のIT企業の多くが今も活用している磁気テープ、それがその答えの一つの鍵となると言われています。当委員会の活動がその役割の一助になればと改めて考える次第です。

 


一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) テープストレージ専門委員会 (※)
日本ヒューレットパッカード(株) 井上 陽治
※:旧名称:磁気記録媒体標準化専門委員会