JEITAテープストレージ専門委員会コラム
「今後のデジタルデータ・アーカイブマーケット予測」

 

 

従来の、法規制等によるデータの長期保管に限らず、ビッグデータ時代にはその生成される凄まじいデータ量を、効果的に管理、分析、加工、そしてビジネスにつなげるために、データの保存期間も長くなると考えられている。そのようなニーズにこたえるため、より一層スケーラブルでコスト効果の高いストレージが必要とされる。

 

以前にも説明したかもしれないが、このような背景を鑑みると、大量のデータを長期に、かつ効果的に保管できるティア3(スリー)アーカイブのニーズが高まり、より多くのデータがオブジェクトストレージに保管されるようになる。さらにそのオブジェクトストレージ環境につながる、テープのファイルシステム(Tape File System (LTFS))とキャッシュディスクのハイブリッドストレージが多くの大規模クラウドで活用されるようになると考えられる。

 

最近発行されたIDCのワールドワイドアーカイブマーケットレポートによると、2011年から2016年までのアーカイブ用ディスクストレージの伸び率はCAGRで 80%以上と推定されている。  更に、ワールドワイドのアーカイブ用テープメディア出荷容量は2016年には年間 50EB(エクサバイト)にも達すると予測されている。

 

以下のグラフはアーカイブに限定しない四半期ごとのテープ出荷容量であるが、2011年のQ1にはついに5EBを超えた。年間を通しては20EB以上だ。5年後の2016年にはアーカイブ用途だけでも50EBを超えるとすると、今後加速度的に容量出荷量は増加するものと予測される。

 

LTFSは近年、多くのストレージ関連誌からも注目されるテクノロジーとして紹介されており、このLTFSの出現により、従来の安価、高容量、高信頼性といった長期保存性のアドバンテージに加え、今後は、アクティブアーカイブのような、自動化されたアーカイブシステムに最適な技術として、テープストレージがますます注目されてきている。

 

 

出典:Santa Clara Consulting Group

 

 

 


一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) テープストレージ専門委員会 (※)
日本ヒューレットパッカード(株) 井上 陽治
※:旧名称:磁気記録媒体標準化専門委員会