JEITAテープストレージ専門委員会コラム「電子記録マネジメントコンソーシアム (ERMC)」

 

電子記録マネジメントコンソーシアム (略称ERMC) は、電子的な記録の利用・推進にかかわる団体が集まり、各団体の成果・課題等の情報を交換・共有し、蓄積された各団体の成果、検討結果の普及、啓発活動に取り組む組織として、2010年4月に設立されました。ERMCの設立発起人団体は、JEITAテープストレージ専門委員会を含め、以下の6団体です。

 

・ARMA International東京支部

・社団法人 ビジネス機械

・情報システム産業協会 (JBMIA)

・社団法人 電子情報技術産業協会 (JEITA) テープストレージ専門委員会

・社団法人 日本画像マネジメント協会 (JIIMA)

・財団法人 日本情報処理開発協会 (JIPDEC)

・財団法人 日本データ通信協会タイムビジネス協議会 (TBF)

 

“電子記録マネジメント基盤の確立” をビジョンとして掲げ、電子記録マネジメント基盤の活用による効率的かつ透明性のある組織の実現と、紙文書から脱却したグリーンな社会の確立に貢献することを目的としています。

 

ERMCは、当初の2年間は、以下を目標にして活動しています。

1. 電子記録マネジメント基盤のモデル化と要件定義

2. 電子記録マネジメント基盤システムの運用ガイドの策定

3. 電子記録の管理情報(メタデータ)の標準化

4. 電子記録マネジメント基盤の普及啓発


 

 

ほぼ毎月開催される幹事会とイニシアティブ委員会の活動により、現在、ERM基盤の雛形モデルの策定、ERM基盤の要件定義、ERM基盤標準マップ策定などを行ってきました。今後はERM基盤システム運用ガイドの策定に向け、法的観点からのガイドライン、証拠性確保のためのガイドライン、基準類雛形、運用ガイド雛形の作成などに取り組んで行きます。2010年度末には、第2回ERMCフォーラムを開催し、2010年度の成果を発表する予定です。

 

JEITAテープストレージ専門委員会からは、長期保存分科会が中心となりERMCの活動に参画しています。長期保存分科会では、現在、電子的な記録を100年以上の長期に亘って保存する「デジタルデータの長期保存」について議論・研究を重ねています。これまでに、電子的な記録を (例えば100年間といった) 長期に亘り保存するために何が必要か?という観点で 、継続的マイグレーションによるデジタルデータの長期保存のためのデータマイグレーションの必要要件をまとめました。マイグレーションとは、電子的な記録を新しいストレージに移し変えることです。マイグレーションに関係するメタデータは、長期保存されている電子的な記録が正確であり信用おけるものであることを保証するのに有用な役割を果たします。マイグレーションに関係するメタデータの標準化に向け、今後はテープデバイス上でファイルシステムを使用できるLTFS (Linear Tape File System)フォーマットをベースとして、電子的な記録を長期保存するために必要な論理フォーマットの策定に取り組む予定です。JEITAテープストレージ専門委員会は、これらの活動を通じ、ERMCの活動に貢献できればと考えています。



以上

(社)電子情報技術産業協会(JEITA) テープストレージ専門委員会
日本アイ・ビー・エム(株) 大石 豊