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IT業界のモーダルシフト -テープストレージ最新活用法-
最近「モーダルシフト」という言葉をよく耳にします。これは「トラックによる幹線貨物輸送を、地球に優しく、大量輸送が可能な海運または鉄道に転換すること」なのだそうですが、確かに少ない荷物をトラックで渋滞の中運ぶよりは大量の荷物を一気に鉄道で運んだほうが早く、安全に、低コストにかつ環境にやさしいと いえますよね。でもせっかく鉄道で運んできてもトラックが時間通りに来てないために荷物が届かないのでは意味が無いですよね。ここで最適化ということの重要性が出てくるわ けです。つまりトラックと鉄道、これらを最適に統合したサプライチェーンを構築することで、初めて効果的に荷物を届けることができるのです。
ITでも同じことが言えます。ここではストレージの世界を前述の物流の世界と比較してみましょう。
例えばディスクとテープを物流インフラにたとえると...
テープは鉄道 --省エネ、低CO2、低コスト、効率良いが小回りきかない
ディスクはトラック --効率悪いが小回りきく
という感じでしょうか?
つまりストレージの世界では、ILMの概念からティアードストレージの導入、そ してディスクとテープの最適な組み合わせによるストレージシステムが今後の主流 になるのではないでしょうか。
自前主義が多い日本とは違い、米国はデータセンターでのアウトソーシングが進んでいます。最近日本でもデータセンターのCMをやり始めましたね。
コンプライアンスの概念が進んでいる米国ではデータの保管期間とかも、きちんとSLA(Service Level Agreement)で規定されており、どの期間以上の情報であれば アーカイブするとかいった内容も決められています。 例えば15年保管義務はあるけれども参照する頻度は5年後にはほぼ0%とかいうデータは、アーカイブしてテープに保存しておけば良いわけです。 昨年の当委員会の試算ではメールアーカイブデータの保管先を単純にディスクからテープにすることにより、CO2排出量を1/30に削減できるという結果が出ています。
このようにオンラインディスク、ニアラインディスク、ニアライン-オフラインのテープをうまく組み合わせることにより、サービスの質を落とさずにかつ低コス ト、低消費電力、低CO2なストレージシステムが構築できるのです。
((社)電子情報技術産業協会(JEITA) 磁気記録媒体標準化専門委員会
日本ヒューレットパッカード(株) 井上 陽治
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