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【連載】バックアップの真実
第6回 「クライアント・バックアップ」
この連載も第6回目(のはず)です。途中、間が開くことがあるので世の中のスピードについて行けないのではないか、という心配が奇妙な錯覚にも似た感情を呼び起こします(心の病気でしょうか...)。そういうわけではありませんが、私は(できるだけ)毎日、たくさんのメールニュース、メルマガ、Webをチェックしています。重複した情報、薄まった情報を効率よく圧縮、濃縮するにはITツールの活用が必須になっています。皆さんも工夫していると思いますが、私はURL、画像キャプチャ、PDF化とメモツール(マイクロソフトのOneNote)を多用しています。ちょっとでも気になると何でもかんでも記録するのでツールの活用が絶対に必要です。そうそう、Googleデスクトップ、記事検索サービスイメージスキャナにも大変お世話になっています。集めるだけの趣味ではないので、 INPUT→PROCESS→OUTPUT が適切に回らなければ適切な成果も生まれませんが、この一連のプロセスを実行するのは強い意志と実行力が必要で骨が折れます。最近、プロセスが回るスピードが落ちた気がするのはチョッピリ意志が弱くなってきたせいでしょうか。なんだか会社の成果主義に染まったような話になってきましたが、OUTPUTに対する適切なリアクションがあればOUTPUTを生み出す人にとって次の行動の強いインセンティブになるのは会社だけの話ではないでしょう。「何が言いたいのか」って、そう、このメルマガを読んでいる人のご意見をお待ちしています。JDSFはボランティア的に運営されていますが、来年にはバックアップに関する技術解説書の第2版を出版したい!と活動しています。”こんな内容が必要だ”という建設的なご意見をお願いします。話がそれたのでヨイショっと話を元に戻しましょう。こんな調子なので私のPCにはデータがいっぱいです。ほとんどはゴミになる可能性がありますが、ディスク容量はどんどん大きくなっているのでドンドン貯めていきます。PCを最新機種に交換したのでディスクの使用率は10%以下ですが、このPCが廃棄処分になるまでに一杯になる可能性はほとんどゼロです。バックアップはいろいろな方法を使っていますが、最近流行のベアメル・バックアップ(下記の用語解説を参照)も随分昔から使っています。最近では個人ユーザ向けから企業システム向けまで、ベアメタル・バックアップの製品が沢山出そろってきました。いゆる旧来のバックアップソフトウエアも同様なことが出来ますが、ベアメタル専用のバックアップソフトウエアはOS起動ディスクを丸ごとバックアップ、リストアする作業が単純化されたものがいのが特徴になっています。OSディスク、データディスクをRAIDでミラー化しておくような手法がとりにくいクライアントPC では、確実にバックアップし、簡単、確実にリストアできるというのは非常に心強いものです。しかし、オンライン中にもバックアップできるので、これだけで十分か、というとそうではありません。OSはPCハードにバインドされていますが、データはPCハードにはバインドされていません。データはどこのPCにでも持ち運び可能で無ければ利用価値がないからです。バックアップソフトウエアにも縛られたくはありません。エンタープライズ・バックアップとはこの辺のニーズが少し違うようです。データの持ち運びを意識した場合には、いわゆるデータのミラーが出来るソフトが役に立ちます。この分野も製品化されたものからシェアウェア、フリーウェアまで選ぶのに苦労するくらい沢山のソフトがありますが、私が使っているのは2種類です。何でまた2種類も使い分けているのかという理由は追ってまた別の機会に話せればと思いますが、そのソフトの一つはフリーウェアのBunBackupです。簡単で軽快に動作する、なんでフリーなの、と余計なお節介を言いたくなるような優れものです。ディスクからディスクへのバックアップだけをターゲットにしていますが、バックアップ・モード、ミラー・モードのようなオプションを使っていろいろなことが出来ます。Windowsの"タスク"機能から起動すれば、ワークグループサーバのスケジュールバックアップを任せることも可能です。
さて、データをコピーできたとしても、それを安全に持ち運ぶにはどうしたらいいでしょうか。ポータブルディスク、USBディスクは使用禁止、という会社もあると思いますが、安全に持ち運ぶには単なるパスワードだけでは弱いので暗号化も必要になります。何回かパスワード解除に失敗するとデータが破壊されるタンパー機能を持ったものが現れていますが、そこまで行かなくてもUSBキーと連動した暗号化ファイルシステムがあると非常に強いものになると思われます。フリーの暗号化ファイルシステムとしてはWindowsのEFSがありますが、"アタッシュケース" のようなファイルの暗号化とは違い、指定した特定のディレクトリ以下が暗号化されます。使っているユーザは"暗号化されている"ことを意識しないので非常に便利ですが、実際には使い方に注意を要します。WindowsのEFSはActiveDirectoryで統制された(日本版SOX法で内部統制という言葉が流行しつつあるので、つい、"統制"という言葉を使ってしまったぞ)環境で使われることを意識しているので、ActiveDirectoryと無関係な環境で使うと読めると思ったファイルが読めなかった、暗号化されていると思ったファイルが実は暗号化されていなかった、ということが発生します。個人で使う場合には暗号化ファイルシステム証明書(回復キー)を安全に持ち運んで、必要なPCすべてにインポートしておきます。回復キーが簡単に盗まれてしまったら元も子もありません。ということで私は別のソフトウエアを使っています。EFSがダメだ、というわけではないのでくれぐれも誤解が無いように。
用語:ベアメタル・バックアップ
意味:例えばOS起動ディスクを丸ごとバックアップ、リストアすること。
専用のソフトを使うと無停止でバックアップすることも可能。
JDSF データ・マネジメント・ソリューション部会
株式会社エクサ 恋塚 正隆
株式会社エクサ 恋塚 正隆
第1回 クライアント・バックアップ
第2回 クライアント・バックアップ
第3回 クライアント・バックアップ
第4回 クライアント・バックアップ
第5回 クライアント・バックアップ
第6回 クライアント・バックアップ
第7回 クライアント・バックアップ
第8回 クライアント・バックアップ
第9回 クライアント・バックアップ
第2回 クライアント・バックアップ
第3回 クライアント・バックアップ
第4回 クライアント・バックアップ
第5回 クライアント・バックアップ
第6回 クライアント・バックアップ
第7回 クライアント・バックアップ
第8回 クライアント・バックアップ
第9回 クライアント・バックアップ
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