第2回
HDD(ハードディスクドライブ)は姿を消すのか?
あたり前のことがそうでなくなる、見慣れたものが新しいものに置き換わる、昭和の時代を経ている方であれば、こんなことを何度も経験してきたと思います。レコード盤はCDに替り、今では音楽はデジタルデータとして簡単にダウンロードが出来るようになりました。固定の黒電話やピンクの電話は見なくなり、子供も年配の方も携帯電話を利用できる時代です。カメラの記憶媒体はフィルムからデジタルデバイスが主流になりました。これらはほんの一例で、テクノロジーとインターネットの進化によって、慣れ親しんだものが過去の遺物になることは珍しいことではなくなりました。
話を主題に戻すと、「HDDはいずれ無くなるのだろうか?」ということがストレージ業界では話題になります。保存目的で安くて大容量という観点であれば、やはりテープに軍配があがります。性能面ではフラッシュメモリには到底及ばず、価格と容量の面でもフラッシュメモリの台頭は目を見張るものがあります。システムの記憶領域はフラッシュ(オンライン)とテープ(オフライン)に集約され、HDDはいずれ姿を消すのかと危惧している方も多いのではないでしょうか。ただし、実際には、オンラインとオフラインの中間層(i.e, Near Line)の必要性がなくなることはなく、HDDはさらなる大容量化のための技術を進めているようです。ディスクのプラッターを薄くして枚数を増やしたり、新しい記録方式を開発したりと、従来のHDDの構造を保ちながら、安価・大容量を目指しているとのこと。まだまだHDDは健在のようです。
NGS部会 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 菅 博