ファイバチャネルは、FCSI(Fibre Channel System Initiative)によってANSIによる標準化作業に積極的に働きかけが行われてきた。FCSIは基本となる物理層標準(FC-PH)を提案、これがANSI標準となると組織を解散し、より自由な非営利団体であるFCIA(Fibre Channel Industry Association http://www.fibrechannel.org/)にその任を委ねた。FCIAには現在米国内で日本の現地法人も含め数多くの会社が参画し活発な活動をしている。
ファイバチャネルの標準は図「ファイバ・チャネルANSI標準の構成」の構成となっている。ここではファイバチャネルで一番重要な物理層を規定するFibre Channel Physical and Signaling Interface (FC-PH)を始め、それをサポートするArbitrated Loop (FC-AL)、Switch Topology (FC-SW)、Fabric Generic Requirement(FC-FG)、Fabric Service Standard(FC-GS)等が規定される。またULP(Upper Layer Protocol)とのマッピングを規定するSCSI-3 Command Set Mapping (SCSI-FCP)、Link Encapsulation(FC-LE)、HIPPI FP Packet Mapping(FC-FP)、ATM-AAL5(FC-ATM)等がある 。
FC-PH, FC-PH-2, FC-PH-3は、ファイバチャネルの伝送メディアや符号化復号化、サービスクラス、フロー制御、接続形態等を規定する大切な部分である。この規格は FC-PI(Fibre Channel Physical Interface) とFC-FS(Fibre Channel Framing and Signaling)の二つに整理統合され新たに標準として規定された。FC-AL, FC-AL2は安価なループトポロジを規定し、FC-FGとFC-SWはスイッチ間の接続方法について規定している。これにより一台せいぜい64ポートのスイッチであっても、数千ポートものファブリックを構築できる。FC-GSは各種ディレクトリやマネージメント、時間のサービスメカニズムを決めている。
ファイバチャネルの各レイヤは、ISOの定めるOSI(Open System Interconnection)の7階層モデルを参照すると、すべてデータリンクレイヤ以下である。FC-PIは物理レイヤに相当する。ファイバチャネルの各レイヤは図「ファイバチャネル・レイヤ」のようにFC-0からFC-4までの構成となり、各々次のような役割を持つ。 図「ファイバ・チャネルレイヤ」
FC-4 レイア | マッピング (ULPとの対応づけ) |
FC-3 レイア | 共通サービス(まだ標準化されていない) |
FC-2 レイア | フレーミングプロトコル(フレーム組立プロトコル) |
FC-1 レイア | 符号化/復号化(伝送プロトコル、8B/10B符号化) |
FC-0 レイア | 物理メディア(メディア・タイプ、コネクタ、電機/光特性など。 |
FC-AL, FC-AL2はファイバチャネル機器をループ状に接続した場合のデータ伝送手段を規定している。
またマッピングレイヤとして、SCSI-FCPが規格化されている。SCSIイニシエータとターゲットとの命令、ステータス交換、データ伝送をFC-2またはFC-3レイヤにマッピングさせる。これによってサーバコンピュータ側はFC-4機能を持つデバイスドライバをインストールするだけで、SCSIコマンドのままファイバチャネルネットワークを介してディスク装置とデータ伝送を行えるようになる。いわゆるSCSIオーバーファイバチャネルが実現される。IPに関しても同様である。